風磨くん主演ハムレットを見に行った話

 

もう11月!?!?!?嘘だ!!

大遅刻だよ!ハムレット感想です!どうぞ!!

 

 本当に、一番簡単に感想を言うと、「見れてよかった」に集約されてしまうのだけど、少しでも自分の感想を残しておきたいなと思います。

 

 私はPAGESに惜しくも(そうでも言わないと悲しくて泣いちゃうので)落選したので、いわゆる「現場」ってところに初めて行きました。たぶん珍しいパターンの人間です。最初の現場が自担のシンメの外部舞台の人、私以外にいたら握手したい。

 

 そんなこと言ってみても、シェイクスピアで、しかもハムレットで、しかもしかも場所は東京グローブ座だなんてね!!!!チケットが取れた時の私は狂喜乱舞でしたよ。なんかもうPAGESはこのために外れたんだな…次も当てさせてください!の気持ち。わーーーーーーい!

 

 当日グローブ座に着くと、おしゃれに着飾った女の子たちがいっぱいで、それだけでもなんかいいな~って思いつつ、やっぱり殿下の大きなポスターに感激してました。いっぱい写真撮った。かっこいいね。

 

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 ここから観劇メモ。

 まず思ったのは舞台近いな~ってことでした。二階席だったけど肉眼でみれるやん!!オペラグラス持ってきた意味!!!って思いましたね。時間に余裕がありすぎて、始まる前からじろじろと舞台見てて不審者ぽかったかもしれない。すう―っと暗くなって霧がかかり始めて、はじまる!!はじまってしまう!!ってドキドキしてた。

 演劇って生でみることに意味があるなと感じているんです。観客も含めて一つの世界に沈みこむ感じが私はすきで。温度がある感じっていうんだろうか、この時は悲劇として名高い『ハムレット』の幕開けにふさわしい冷たさを感じたんですよ。冒頭が夜中のシーンでもあるのも関係してて、シンとした空気と少しの肌寒さがありました。

 私が一番「裏切られたな」と思ったのはハムレットが狂気を装うシーン。松岡和子さん訳の『ハムレット』(ちくま文庫シェイクスピア全集1)を読んだのと、藤原竜也満島ひかり版のハムレットをちらっとみた記憶がある…くらいで臨んだ私は、ハムレットの狂気って装っているように思えなくて、取り憑かれたかのように激昂して暴れ回るって印象だったんですよ。暴れ馬みたいな感じ。

 

 それがどうしたことか、風磨くんのハムレットは なんだこいつやばいな笑 みたいな感じで、文字にすると陳腐な感じがするけど、今までのハムレット像を壊したような気がします。なんかかわいいじゃないですか?裸足でてとてと歩いてたの。あれ?思ったより親しみやすい人なんだなって思いました。誰かが風磨くんのハムレットを「ラブリー」と評してるのを知って、そうなんです。これだ!!!!ラブリーなんだ!!!!ってなりました。この狂気をまとったハムレットの場面はおもしろおかしくて笑っちゃってたし、実際私のみた日の公演はハムレットが狂気を装うシーンで笑顔が溢れてました。この物語って嫌悪、裏切り、復讐といった重苦しい印象が強いと思うんです。だからこそおもしろくて楽しくて笑ってる自分に驚きました。いや、すごかったね…ハムレット殿下は顔が可愛いです。

 ハムレットのすきなシーンは「唇には指で封印を」の場面。まずこのセリフ、めちゃんこおしゃれじゃないです?ハムレットのほほえみもすきー!ってなったし、唇に指を持っていく仕草素敵だったな〜〜!!!王子様を感じましたね。それとここは照明の当て方が綺麗で綺麗で泣きそうだった。私は二階席の真ん中のほう(どちらかといえば下手側)でみたんですけど、左右から光が当たって♯みたいな光の線にハムレットが囲まれてて綺麗だったな〜〜!!!あとスポットライトが似合うなって思いました。

 「尼寺へ行け!」のシーンは、みてて辛かったよね。いやだってどうみてもハムレットとオフィーリアはすき同士なのに、なんでこううまくいかないのか…すれ違い…

 

あ〜〜〜違うんだよ〜オフィーリア〜〜ハムレットはあなたを愛してるんだよ〜〜気づいて〜ハムレットは一言愛してるんだって言えたらよかったんだよ〜!!あ〜〜〜〜〜!!!

 

 なんて思いながら、ハムレットがオフィーリア宛のラブレターをバラバラ破くとこで私の心も悲しさでズタズタになったし、絞り出すようなハムレットの「尼寺へ行け!」はそんなこと言わないで…ううううってなったし、破れたラブレターを拾い集めるオフィーリアの独白…

 このオフィーリアの独白が私はいちばんすきです。オフィーリアに関しては登場からびっくりしたんですけどね。私はなんとなくオフィーリアにかよわい、可憐、静かという印象を持っていました。だからまず茶髪なことに驚きました。なんか日本人黒髪に夢持ってるとこあるじゃないですか…オフィーリアのこと、いわゆる優等生なお嬢さんってイメージで読んでたんですよ。でも違った。思ったよりも強気で、思ったよりも女の子で、思ったよりも繊細で、思った以上にまっすぐにハムレットのことを想うひとだった。それがなんだか嬉しくて、この四時間の舞台の中で一番共感できて一番大事にしてあげたいって思いながらみました。幸せにしたいなんて思うの、なかなか好きじゃないと出てこないので。独白の後舞台に落ちていたままの手紙を拾って本当に本当に大事そうに抱えて去っていくオフィーリアの姿は今でも思い出せるくらいに綺麗でした。本当に綺麗だった……

 

 舞台としてはわかりやすい表現もあったし(衣装の色とか)これは意図的なのか?と思う表現もあっておもしろかったな~!回る舞台は見ていてワクワクするし、ステンドガラスを映したみたいな照明は部屋ごとでちがうっぽくていいなと思ったし(特に懺悔?のとこのが好き!)シャンデリアが下りて来るのもテンション上がった。ハムレットがいつどの場面でどう椅子に座るのか刮目しながらみたいし、ロゼギルとハムレットが机でバタバタするやつ(ネーミング力がない)もおかしくて楽しいから何度でもみたいし、レアティーズとハムレットの決闘は絶対何回も何回もみたい!!!

 

 そんなふうに何回もみたいなって思わせてくれる舞台をみに行けて私はとてもうれしいです。ありがとう。風磨くん。見れてよかったです。

 これからもたくさんの人と出会って、たくさんの作品であなたの活躍がみられることを期待しています。