アイドルと夢をみる~中島健人くん卒業おめでとう~

2024年1月8日。なまった生活リズムを取り戻すべく早めの夕飯作りに励んでいた私は急転直下。作り終えた肉じゃがが冷めるのもどうでもよくなるくらいの出来事だった。

 

中島健人がSexyZoneから卒業する。

 

ストライプのジャケットだ、以外の情報が入ってこなくて動画を見終えて真っ暗な画面に浮かぶ明朝体の「絶望」の二文字。健人くんが喋ってるのはわかる。わかるんだけど何言ってるのか頭に入ってこなくて、発表のコメントもKTTもちっとも読めなくて字が滑るってこういうことなんだ。脳がキャパオーバーだから無意識に読まないようにしてるのかと思った。そんな状態で友達に電話して泣きながらグータンヌーボを見た。地元はグータンが映らないのに実況しながら(いい迷惑すぎる)なんで?を連発していた。明日から仕事なのによく聞いてくれた。さすが信頼と筋肉の男を推す女だよ。

 

 

アイドルがすきだと言うとアイドルに夢をみていると言われることが多い。本気で付き合えるとか思ってんの?みたいに冗談半分でからかわれることもある。生身の人間でしかもアイドルという特殊でまばゆい存在を追いかけているのだからまあわかる。ほっとけよって思うけど。だけど私にとってアイドルは一緒に夢をみる存在だ。

 

私は12/27の東京ドームで、SexyZoneはまだまだここからなんだ、改名を追い風にして4人でもっとワクワクするような未来をつくっていくのだと思ってしまっていた。だからその夢が叶わないことがどうしたってつらい。みたいと思っていた未来は、もうあのときには存在しないと決定づけられていた。その事実が悲しかった。

 

私はSexyZoneにグループとしての成功という夢を重ねていた。この国で彼らの考え方や価値観がスタンダードになる時代をつくりたかった。そのためにはグループで売れること、つまり国民的になることが必要不可欠で、そのための起爆剤をずっと探していたように思う。だから同じ方向を向いていると思っていたのが私だけで、誰より同じ夢を追いかけるのだと思っていた健人くんの決断をまっすぐに受け止められなかった。

 

今日までに何度も健人くんのSexyZoneへの愛と矜持を疑ってしまう自分がいた。そんなはず絶対にないのにね。そう思ってしまった自分が心底嫌で自己嫌悪で眠れない日もあった。どうしたって4月にはグループを離れてしまうのだから、どんなに言葉を尽くしてくれても結局SexyZoneは選ばれなかったのだという悪魔のささやきが頭をよぎる。

 

 

「ここで、誤解のないように言っておきたいんだけど。オレね、本当にSexyZoneのことが大好きなんだよ。うまくいかない時期も、楽しい時期も、悔しいことも、うれしいことも一緒に全部経験して、喜怒哀楽全ての感情を揺らしまくった。メンバーと共に過ごした12年間は確実にオレにとってはかけがえのない青春だったし。”120%の力で愛した”と胸を張れるくらい、本気でオレはSexyZoneに恋をした……。だからこその決断でもあるんだよね。

 

(中略)なんだろう、12年間を共に過ごしてきた絆があるからこそ、お互いに嘘をついてまで一緒にいるのは違うと思ったし。最高のグループだからこそ、メンバーに幸せになってほしいからこそ、オレは自分から、愛するものを手放すことを決めたんです。」

 

「(中略)ここでちゃんと伝えておきたいのが、これからも中島健人の肩書は”アイドル”であるということです。今も『あなたにとってアイドルとは?』と聞かれたら、『共同体』と答えると思う。夢は自分だけのものではないし、応援してくれるみんなと一緒に追うのが夢だと思っているから。だからこそ、ずっと応援してくれたファンのみんなには伝えたいんです。『オレはどこにも行ってないし、どこにも行かない、ずっと一緒だよ』って」

MORE Spring2024 No.555 SexyZone新連載 君がいる季節に… vol.1 中島健人と、春と より

 

 

だけどMOREの連載を読んで、ああこの人はいちばん情熱的にSexyZoneというグループを愛してきたし、今だって愛しているのだと思い知らされた。そしてどこまでも自分の夢に正直で、夢のために走り出せるひとだったと打ちのめされた。

 

私にないものを持っているからあなたのことを知りたかった。

どうしたらこんな風に生きられるのかわかりたくて追いかけた。

 

最初はSexyZoneのことをすきになった。5人そろったグループのかたちが何より美しかった。コンサートの映像をみてこの空間を体験したいと思った。世界でいちばんのきらめきがここにあるのだと思った。たったひとりの特別を決められないくらい5人ともだいすきなグループだ。だけどどうしたってピアノを弾く健人くんの姿が目に焼き付いて離れないから、名乗るならこの人にしようと決めた。

 

その日から今日まで私はSexyZoneの中島健人のファンだ。

 

願うことなら私よりもあなたのことを大切に思ってくれるメンバーと一緒にいてほしかった。でもそれはあなた自身が許してくれないだろうな。グループは自分とは違う人間が集まって、意見を出し合って、何かを決めて進んでいくものだ。いつだって真摯に向き合ってきたあなたが、ほんとうにやり遂げたいと思えることをしないままでここにはいられない。私は80点の折衷案でもいいじゃんと思ってしまうけど、120%で向き合えないならふさわしくないと思うんだろう。たとえそう思えてもそうそう手放せるものじゃないと思うけど、あなたにはあなたと同じくらいグループを愛しているメンバーがいた。SexyZoneにとってグループを愛することはそこに属するメンバーの人生を大切にするってことで、あなたの思いを受け止めてその決断に背中を押す、なんてことをやってしまうんだもんな。ほんとうに気高くて美しくてこんなのSexyZoneじゃなかったらできない芸当だよ。だからすきになったんだよ。

 

私はワクワクと同じくらいの悲しみを胸に抱えてあなたと彼らを見続けるんだろう。ここにいてくれたらどんなによかったかなんて心のうちだけでは思ってしまうかもしれない。それくらい一緒にみたい景色がたくさんあった。

 

今日までの3か月いろんなことを考えたしいろんな思いが私の中に生まれた。だけど最終的にたどり着くのはやっぱりSexyZoneがだいすきだということで、SexyZoneの決断を信じたいということだった。いつだってベストな形を探して生きている彼らの決断を今、背中を押せるのは今の私だけだから。いつだって花束と愛を届けていきたい。

 

泣いても笑っても20時に始まる配信ライブが最後のSexyZoneだ。この日が来るのが嫌だと思いながら過ごしてきた。だけどいちばんすきなグループ仕事はコンサートだからいちばんの楽しみでもあった。矛盾しているね。寂しいけれど世界でいちばんすきなグループの、そしていちばんすきなひとの卒業を見送れることは幸せだよ。

 

ありがとうSexyZoneの5人。ずっとずっとだいすきです。

5人を繋いでくれていたこの愛しいSexyZoneという名前から今日で卒業です。

そして中島健人くん、卒業おめでとう。

 

私はSexyLoversを卒業します。でもこれからも5人と夢をみるのでしょう。

間違いなく最高の時代を創ろうね。

 

 

もしいつかの未来で同窓会があるのなら、こっそり5人でやるのもいいと思うけど、SexyLoversも呼んでくれるとうれしいな。